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アマノジャクはこう考える

「ケンボー先生と山田先生」を観る

BSの番組でした。辞書作りに貢献した2人の人物を紹介する番組でした。先日、映画「舟を編む」を観ていたので結構理解しやすい内容でした。戦前からのロングセラー辞書に三省堂の明解国語辞典があるそうです。金田一京助編ということですが、実際は金田一は編集には全くと行っていい程関わっていなかったようです。いわゆる「名義貸し」というやつです。高名な学者を編集や監修の中心に加えることで本の知名度や信頼度を高めようという営業戦略です。よくやりますよね。その金田一の推薦でケンボー先生が三省堂に入社し辞書作りに携わります。そして、知り合いの研究者「堅物」の山田先生を誘って「新明解国語辞典」の編集が始まります。それぞれの持ち味が辞書作りに反映され、通称「新明解」はベストセラーとなります。その後、ケンボー先生は「中学生が使える辞書を」という発想で「三省堂 国語辞典」、通称「三国」の編集に向かいます。この頃からケンボー先生と山田先生は辞書に対する思い、仕事の進め方をめぐって溝を深め、晩年までその溝が埋まることはなかったようです。それぞれ「三国」をケンボー先生が、「新明解」を山田先生が拠点に作業を進めていきます。二人とも個性的なのですが、意外なのはその言葉の語義の表現です。ブルーフィルム(ポルノ)に全く興味を示さない山田先生が、「恋愛」の語義を「合体したいという気持ち」と表現し主観的な記述を試みる半面、あらゆるものに興味を示し、用例採集の数が150万に及ぶケンボー先生が客観的な簡潔な記述にこだわるところはとても面白いところだと思いました。「舟を編む」の登場人物もきっとこの二人のどちらかかミックスさせたものではないかという気がしました。「知の創造」という面でとても興味深い番組でした。特に二人の人間関係の微妙なところを、お互いの辞書の用例の文章を使って読み込むところにセンスの良さを感じました。司会の薬師丸ひろ子の歯切れの良いおしゃべりも良かったです。私同い年なんです!
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by yksayyys | 2013-05-03 12:19 | 社会 | Comments(0)