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アマノジャクはこう考える

目を閉じて

 父は病院に入ったままです。たくさんの管につながれてずっと目を閉じています。体温が上がったり下がったりしているようですが体内の様々な数値が落ちてきているようです。意識はあるようで耳元で何かしゃべると涙を流すようです。先週の金曜日の時点では、家族の名前を呼んでいましたからしゃべる気力・体力がなくなってきたのでしょう。母が「ここまで苦労させておいてありがとうのひとことも言わずに逝ったら許さない。」と言ったら大粒の涙を流したそうです。それを聞いた私は「ちょっとできすぎた話だな」とも思いましたが、ありえないこともないなとも思いました。
 私は、父が目を開かないのはなぜだろうとずっと考えています。声がでない、苦しいのはわかりますが、意識はあるのですから目は開くはずなのです。先日病院で私と1対1になった時も手をにぎることは再三しようとするのですが、目は開けようとしません。母も「入院前からずっと目を開けなくなった」と言っていました。父は目を閉じて何を思い出しているのでしょうか。貧乏だった少年時代でしょうか。郵便局に勤めて遊びまくった時代でしょうか。南極観測船にもぐりこんで強制送還されたことでしょうか。労働組合の親玉だったころでしょうか。成金として勢いがあった時でしょうか。2度のガンの手術のことでしょうか。すべてを失って自己破産にまで追い込まれたことでしょうか。20年間の病魔とのたたかいでしょうか。孫と遊んでいる光景でしょうか。
 ずいぶん自分勝手な人でした。多くの人に迷惑をかけています。身内にはずいぶん甘いところがありました。ひとことで言うと「好きに生きた人」だろうと思います。私のことを「難しい男だ」と言っていたようですがそれを喜んでいる風でもありました。私が博士課程の試験に落ちた時は私以上に落ち込んでいました。「末は博士か大臣か」の時代の人だったのでしょう。
 母は「こんなに生命力のある人はいない」と言って自分を奮い立たせていますが、父は静かに目を閉じようとしているような気がしてなりません。明日は見舞ってこようと思います。
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by yksayyys | 2015-03-07 22:33 | 育児・家庭 | Comments(0)

ちょっとすねた感じでこの世を眺めてみると・・・
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