社会認識教育学会編「新社会科教育学ハンドブック」を読む

 冬休み中に読みました。「一通り社会科教育学の輪郭はつかんでおこう」と思ったからです。細切れの文章が47本詰め込まれていました。読み終わっての最初の感想は「社会科教育学は思った以上にリベラルな領域である」ということでした。鹿児島の社会科の会議で時々「なぜ市民的資質という言葉を使うのか。公民的資質ではないのか。」と食ってかかる人がいます。「市民」という言葉に過敏に反応するようです。が、この本の著者はすべて「市民的資質」という用語を前提としています。
同じく鹿児島では「政府を批判するような子どもを育てていいのか」とまじめな顔をして言う人がいますが、この本の著者たちにとっては「批判的思考力」とは当然の社会科教育の資質なのです。「平和を愛好する市民」「民主主義の形成者」どれも社会科教育にとって自明のことなのです。
 この学会の社会科の枠組みへのこだわりについては常に違和感を感じる私ですが、社会科という教科の目指すところについては全く同感だと思いました。
 これは社会科教育だけでなく教育学全般にある発想ではないかとも考えています。しかし、政府の教育関係審議会委員にそういう意味での教育学関係者が入らなくなったことに問題点を感じています。教育再生会議も財界人と安倍首相の「お友達」ばかりで構成されています。そういう意味で教育改革国民会議での藤田英典が最後だったような気がします。
 「企業や国策が求める人材」ではなく「民主主義を形成する主権者としの市民」育成のための教育ということの確認は常にしていく必要があるように思います。
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by yksayyys | 2016-01-10 13:21 | 社会 | Comments(0)