つくられる英雄

 6月30日の朝日に、韓国での国際シンポジウムの続編が掲載されていました。今回は、政治的要請で歴史的「英雄」がつくられるという興味深い内容でした。まずは、豊臣秀吉。子どものころ読んだ偉人伝で「大好き」になり、いろいろ知るうちに嫌いになった人物です。大阪の陣の後、家康は秀吉の顕彰を禁じます。まあ、当然でしょうね。ところが、明治維新の際に明治天皇が「楠木正成とならぶ朝廷への功臣」「海外進出への先駆者」として秀吉を顕彰するように命じます。徳川の地位を相対的に低下させる意味もあったようです。また、黒田、蜂須賀、前田などの豊臣側だった大名家が顕彰活動を活発化したようです。そして、1910年の「韓国併合」後に「大東亜共栄圏の先駆け」としてその顕彰活動が本格化し、朝鮮でも関連する史跡探しがさかんに行われたようです。「ヘーッ」って感じです。それともう一人驚きだったのが「李舜臣」です。朝鮮侵略後、李は最初から「軍事的英雄」だったわけではなく、どちらかというと王に敬遠されていたようです。そして、その李を英雄化したのは何と日本だったと言うのです。日清戦争の直前に日本の軍人が「英国のネルソン提督に匹敵する」という伝記を発表し、その後海軍が軍人教育に積極的に取り入れたとされる。その位置づけは「朝鮮と日本に共通の近代的な英雄、大日本帝国の李舜臣として生まれ変わった」というもの。ずっと時代は飛んで朴正煕大統領の時代に滅私奉公、創意開拓、有備無患が「李の三大精神」として盛んに顕彰したようです。
 記事の最後に「まず、歴史学者が変わらないと」という言葉がありました。現在の日韓、日中関係を指してのことです。それを見て私たちはどう変われば良いのか。ねえ、伊藤知事さん!!
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by yksayyys | 2006-07-03 08:19 | 社会 | Comments(0)