99,9

 私は地図帳を眺めるのが好きです。暇ではあるが、かといって文章を読む程の集中力がない時には格好の読み物です。リビング横にも広辞苑や医学百科などとともに置かれています。今日、学校で昼食までの50分ほど初めて座った職場の椅子の上で帝国書院の地図帳を眺めていました。そして、巻末の都市人口のところで「99,9」という数字を見つけました。これは人口のことで単位は万人です。どこのことかというと北九州市のことです。そう、ついに北九州市が百万都市から脱落したのです。昔は「九州唯一の」という形容詞がついていたこともありましたが、福岡に抜かれ、全国的にも仙台、埼玉にも抜かれついに大台から落ちてしまったのです。思えば、北九州は「大日本帝国の栄光」とともにあった都市でした。僻村に八幡製鉄所が日清戦争の賠償金の一部で建設され、中国、朝鮮半島からの鉄鉱石を運び込み、「黒いダイヤ」と呼ばれた筑豊炭田の石炭をエネルギーとして鉄鋼業が発達した。戦時中は軍需工場が林立し、長崎に原爆が投下された時に第1目標が小倉だったというのは有名な話です。戦後も、繁栄は続いたものの、石油ショックや太平洋岸の工業地帯開発により徐々に地盤沈下し、10年ほど前から「四大工業地帯」からも外されていたが、ついに百万都市からも・・・・
 今の地図帳は市町村合併の余波で「市町村名の変更」が多く、あと数年したら使えなくなるものと思われるが、この一冊で、この国やこの世界の様子がよくわかる。北九州のような栄枯盛衰のようなドラマ、あるいはアラル海にみる環境破壊など・・そして、東アジアに目を向けると東京に行くより近い所に北朝鮮があることもわかる。そこに同じ人間が2000万人余り住んでおり、なぜか「仲良し」ではなく、遠い遠い2億8000万人のアメリカとは「同盟国」だという。地図を見ると、本当にいろいろな事を考えてしまう。
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Commented by ska37o at 2006-07-24 12:34 x
100万都市が市町村合併で増えるのかと思ったけど,そうでもないのかなぁ?「鉄冷え」を象徴する流れなのでしょうね。
by yksayyys | 2006-07-21 21:37 | 社会 | Comments(1)

ちょっとすねた感じでこの世を眺めてみると・・・


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