「ほっ」と。キャンペーン

ブログトップ

アマノジャクはこう考える

NHKスペシャル「硫黄島玉砕戦」を視て

 湾岸戦争からイラク戦争にかけて、戦争がメディア規制下において「ゲーム化」された映像により報道されるようになった。ピンポイント爆撃などその最たるものであるが、その閃光のもとで繰り広げられる惨劇は被害国の映像によって明らかになる。原爆投下の時に、アメリカ軍によるキノコ雲の映像の下でどんな「阿鼻叫喚」の地獄絵図が存在したのかは日本人が最もよく知っていることである。このメディア規制は間違いなく、「ベトナム戦争」の教訓である。日米支配者層は、戦争の実態を、国民に、世界の人々に知らせないことにより「戦争の正当化、美化」を図ろうとしたのである。心ある者たちはみんなそれを知っている。そして、この「実態を隠したごまかし戦争報道」のことを日本人は「大本営発表」と言う。前置きが長くなったが、硫黄島の「玉砕」についても私たちは誤ったイメージを持たされていることをこの番組から知ることができる。「天皇陛下バンザイ」と言って突撃して撃たれて死ぬ。それが硫黄島による戦闘であったと思わされている。しかし、わずかな奇跡的な生存者はそのような状況を否定する。飢えと病気に苦しみ、壕に閉じこめられたまま火炎放射器や手榴弾により木っ端みじんに吹っ飛ばされる。捕虜として投降しようとすると背後の味方兵に狙撃される。出る命令は、絶望的な「突撃命令」だが、生存者はそれを快く受け入れたわけではなく「なぜ、そんな無謀な・・」と煩悶していたことを証言する。アメリカ軍も2万人という犠牲を強いられた。「地獄」とはこういうものかと番組を視てあらためて思った。私は、最後に生存者が涙を流して語った言葉を忘れられない。「あの戦闘で死んだことにどんな意味があったのか。意味がないといえば、死んでいったものがあまりにもかわいそうだ。でも、どんな意味があったというのか。」硫黄島守備隊はほとんどが、戦争末期に召集された30代、40代の初年兵と学徒兵であった。銃の撃ち方さえ知らなかったという。その素人たちが巻き込まれた「地獄」!!大本営はすでにこの島を守ることをあきらめていた。「捨て石」である。沖縄戦が「捨て石」作戦であったことは有名であるが、硫黄島もそうであった。駒として扱われ、地獄を味わう兵士。図面で作戦を指揮し、戦後も生き延びた参謀たち。戦争においては命にも「最大の格差」が生まれる。戦争のもたらす惨劇へのイマジネーションを私たちは決して失ってはいけない。
[PR]
Commented by 妖怪人間べりー at 2006-08-09 08:12 x
 沖縄戦のことは集団自決をはじめ,話題になったりしますが,硫黄島の戦いはたしかに玉砕というひと言ですまされてきたような印象があります。
by yksayyys | 2006-08-08 22:12 | 社会 | Comments(1)