自衛隊の体験入隊について

 skaさんのブログのコメントに書こうとおもったところ「字数が多い」と拒否されましたので、結局ここに文章を載せることにしました。
 「私は自衛隊を否定する」授業を一度もしたことはありません。「自衛隊の是非の問題ではなく」と書いたのはそういう理由からです。私ども教師にとって最も悲しいことは「教え子に先立たれる」ことです。それは、「いじめによる自殺」にせよ「戦争」にしろ同じ事で、こんなに悲しいことはありません。また、戦後、この国の教師のほとんどは「教え子を戦場に送ってしまった」ということに強い後悔の念を抱くようになりました。それも、当然のことだろうと思います。要は「教師や学校が、戦場に子どもを送る役割を果たしていいか」ということなのです。前任校で、卒業記念ビデオの中である生徒がこう言っていました。「先生がおっしゃったようにお国のために命が捧げられるような人間になりたいと思います。」私の前任者の受け持ちの子どものコメントです。この子がその後どういう進路をたどったかはわかりませんが、教師の言葉がその子の人生に大きな影響を与えたことは間違いないことだろうと思います。ただ、私は「自らの教え子を国のためといって死なせることはしたくない」と考えております。現在、職場体験学習は4日から5日かけて実施されます。自衛隊でさまざまな説明を受けただろうと思います。災害復旧や途上国支援のことなどを広く・深く理解することができただろうと思います。ただ、通行人さんもおっしゃるように自衛隊は「一般の職務」とは違います。死を覚悟し、また「人を殺す」ことも覚悟せねばならぬ職務です。そういう「死の危険」と隣り合わせの職務に「教師の言葉」「学校の斡旋」によって就いたとならば、やはり私としては「教え子を戦場に送るな」という戦後の教師の合い言葉を考えた時に、疑問を生じてしまいます。私の教え子にも親戚にも自衛隊はおります。繰り返しますが、授業で「自衛隊を否定する」ようなことをしたことはありません。したがって、隊員の子どもたち・家族達に辛い思いをさせるような言葉も発したことはないはずです。本人が強い信念と覚悟で「そういう職務に就きたい」と考えるのならともかく「先生が言うとおりお国に命を捧げたい」という言葉にあったように、教師が子どもを戦場に送る媒介となったり斡旋の主体となったりすることに異議を唱えたいだけなのです。そこはぜひわかってもらいたいと考えます。
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Commented by ska37o at 2006-11-07 00:57
そうだろうと思っていました。ぼくの教え子に自衛隊に行った子どもがいます。その子が言った言葉を今も思い出します。はじめ「なかなかやめられないんですよね」その数年後「先生,やばいよ。今自衛隊に入ってくる子は,本気で戦争するつもりだよ。ぼくは,資格が取れて給料もらえるから入ったけど…。もうすぐやめるかも」
つまり,自衛隊は就職先であって,「国を守る」という意識はほとんどもたずに入ったのだろうとぼくは推測しています。
Commented by yksayyys at 2006-11-07 01:00
私の中学の同級生も多数入隊しておりますが、みんな「親孝行」のためであって「戦争」なんてこれっぽっちも考えていなかったようです。
Commented by 通行人 at 2006-11-07 17:57 x
 先生のお考え、生徒に接する態度等は良く分かりました。学校が斡旋するなという点には同意いたします。丁寧なご説明を頂きありがとうございます。以前ネット上ですが、隊員の子どもに対して「お前の親は人殺し」と呼ぶ教師がいるという俄かに信じ難い話を目にしたことがあったものですから、敢えて強い口調で批判を書かせて頂きました。非礼な物言いに聞こえましたならば、率直にお詫び申し上げます。
Commented by 通行人 at 2006-11-07 17:59 x
>WB放送局様、山下町航海記様
 仰るように皆様と私の考え方の隔たりは大きいと思います。ですが、右の人も左の人も平時である今から議論しておくべきだと思います。自衛隊はどうあるべきか、戦争回避には何が有効か、敵が攻めて来たらどうするか。「戦場に送るな」という先生方のお気持ち・理想は良く分かります。しかしながら、敵が我が国に上陸してきたらそこが戦場です。もしそこが例えば東京や鹿児島であれば意見は割れないと思いますが、では尖閣諸島ならどうなのかなど国民として覚悟しておく必要があるのではないでしょうか。
Commented by ska37o at 2006-11-09 10:47
ぼくも,議論をしておくことは大切だと思います。
「沖縄に在日米軍基地はあってもいいけど,自分の住んでいるところには必要ない。」それが今の日本の現状ですよね。ぼくは,日本に米軍基地は必要ないと思います。日本は,戦争放棄の理念を世界に発信するのが大切だと思います。確かに現状として,在日米軍基地も自衛隊も存在する日本ですから,すぐにはできないと思います。でも,少しずつ近づける努力をしていくことは可能なのではないでしょうか?
Commented by 通行人 at 2006-11-09 23:12 x
 対米同盟より国連中心主義を優先せよとの主張ですね。日本が頼りとする米国が国連と距離を置き始めた現在、日本にとって非常に選択し辛い選択肢になってますよね。イラク派兵もそうですが、EUという新たな政治力を作り出した仏独とは、中々同列には論じられない部分ではないでしょうか。
 加えて、アマノジャク先生のブログでは究極の目標として非戦を提唱されてます。しかし、これはあまりに崇高に過ぎるという感じが致します。日本国憲法の前文と九条は高邁過ぎて、戦後60年以上を経た現在ではあまりに実態に合っていないことが日々明らかになっている状況です。理想は高くても良いと思うのですが、その実現までのプロセス論までも見出すことが難しいとなると、残念ながら空論だと言わざるを得ません。大戦後の日本で戦争が起きなかった主な理由は、本格的な再軍備をしなかったからなのか或いは米軍が防衛の身代わりに存在したからなのか、そろそろ総括するべきではないでしょうか。
Commented by ska37o at 2006-11-10 10:29
 ぼくは,空論ではないと思います。むしろ,対米追従の政策を進めてきたこれまでの日本の政策に問題がったのではないかと思います。
 日本は,東西の冷戦が終わり,東西ドイツ統一が実現するという状況の中で,核兵器廃絶や軍縮を,世界にアピールする立場にあったのではないかと思います。
by yksayyys | 2006-11-07 00:40 | 社会 | Comments(7)

ちょっとすねた感じでこの世を眺めてみると・・・


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