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アマノジャクはこう考える

昭和初期

 子安さんの説によるとナショナリズムが最も昂揚し、「日本思想」「日本精神」が猛威をふるったのが昭和初期だということである。なるほど、「天皇機関説」排撃から「国体明徴声明」にいたる経過など、その様子は「色濃く」感じられる。義務教育や高等教育においても、相当「軍国主義」色は強くなった時期である。鹿児島において「健児団教育」として、示現流や郷中教育がもてはやされ、西郷隆盛が復権していくのもこの時期である。その流れを後押しするために、昭和天皇は行幸を重ねたものと推測される。そして、私の頭に浮かぶのはその頃同時に国内を襲った「優生思想」のことである。ハンセン病患者をはじめとする多くの「弱者」「少数派」が、あらゆる弾圧・攻撃を受けた時期である。ナショナリズムの最も怖い部分はここで、「民族浄化」などのかけ声のもと恐ろしいことが次々に「正当化」されていき、それを大多数の国民が容認・あるいは追認していくことになる。子安さんは、「普遍的な発想」と「実証主義的発想」の双方において、このナショナリズムの「虚構」と「暴力」を批判しようとしているものと考えられる。
 「日本人だったら・・・・」右派雑誌に踊るこういう言説を目にするたびに、「日本人とは・・」という答えを考えてきたつもりであるが、この本でまたひとつ理論武装ができたような気がする。
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by yksayyys | 2007-03-19 21:47 | 社会 | Comments(0)