歴史教科書の陥穽

 先週の支部教研とI中研究公開でH先生からうかがった話を紹介します。夏のフィールドワークでも聞いた内容ですが、大切だと思うので・・・・支部教研でH先生は「元寇という言葉を使う歴史研究者はいない。蒙古襲来なんです。」と言われた。その他にも「歴史学の常識となっているものと教科書記述にはズレがある。」ことをいくつか紹介されました。私は、何度もその理由は聞いていたが、他の教師にも伝えたいと思い、あえて質問をした。「なぜ、歴史研究者の常識と教科書記述が食い違っているのか。執筆陣だけ見れば先端の研究者が多いように思えるが・・・」
 Hさんは答えた。「今の研究者たちも誰かの弟子であるわけで、師が執筆した言葉、師が展開した説を批判・撤回するのはなかなか難しいらしいのです。特に、その師が教科書を執筆していて存命であるなら、余計に難しいことみたいです。」執筆者から直接聞いた話らしいので本当なのでしょう。ということは、「教科書をバイブル扱いしてはいけない」という論理につながるわけなのですが、逆に考えるとそこに「つくる会」の人達や県知事の「征韓論でなく遣韓論」という言葉が介入してくる余地が大いにあるということにもなります。未来にではなく過去の「歴史が作られる」ということになるのです。そういう意味で、やはり私たち自身が「歴史学の果実」に学びながら研究・調査を重ねていくしかないのではないかと考えます。会の席上、K先生は「蒙古襲来絵詞」の解説に疑問を持ち、角川の「日本史辞典」の書き換えを約束させたというエピソードを話されました。これも鋭利な感覚と機敏な行動力なくしては出来ないと思います。「受け身」でなく「能動的」であるべきなのは、教師自身だろうと考えます。子どもに「活動」や「発言」を際限なく求め、自分自身が「頑迷固陋な知識」にとらわれている様子をI中の授業で見た後だけに、H先生の話は頭に残りました。少なくとも私はそう思いました。
 (資料の紙の大きさや、色遣い、テスト問題の作り方、OHPの使い方など授業の本筋からずれたところで大言壮語する方たちがどう思われたかに興味はありますが・・・)
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by yksayyys | 2008-06-01 07:51 | 社会 | Comments(0)

ちょっとすねた感じでこの世を眺めてみると・・・


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