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アマノジャクはこう考える

2017年 09月 17日 ( 1 )

木田元「哲学散歩」(文春文庫)を読む

 短い文章の集まりなので「読みやすいだろう」と思って購入しました。著者は数年前に亡くなったと思いますが、ハイデッガーの専門家で「わかりやすい哲学」を意識していた人というイメージがありました。でも、最初のあたりは難しかったです。私、ギリシャ・ローマ、イスラムの哲学・歴史の素養が全くないので、出てくる人物名に圧倒されて「何を言っているのか」がさっぱりわかりませんでした。せいぜい、タイトルにあるプラトン、アリストテレス等の小学生でも知っていそうな名前くらいしかわかりませんでした。著者は一生懸命つながりや背景を解説してくれているのですが、それがかえって固有名詞を増やすことになり、混乱と諦めを助長するだけでした。しかし、1冊読み終わり「解説」の所に「第7回から第10回あたりは話したい内容がしっかりしていた」とあったので、たぶん最初の方は専門家からみても「専門的」すぎたのかもしれません。「あ、面白いな」と思い始めたのは、中世の異端審問ブルーノの火刑あたりからでした。人的つながりよりも歴史的背景の理解に重きを置いた記述になっていたからだろうと思います。デカルト以降は、何となく予備知識が通用するようになって面白くなってきました。一番興味深く思えたのは、著者によるハイデッガー評価です。「ハイデッガーの『存在と時間』が読みたくて哲学科を選んだ」というくらいハイデッガーに興味を持った著者ですが、「ハイデッガーの性格は最悪」と言います。それも「割り切っている」風でもなく、「どうしてこうも最悪な人間だろう。俺はどうしてこうもこんな人物を・・・・」と思っています。ナチスに協力したハイデッガーを多くの弟子達が批判します。が、後に和解をする事が多くなります。その一人であるレーヴィットに対して「あなたくらいは最後まで・・・」と思ったりもします。 
 研究対象は好きになる事が普通で、好きだからこそ研究対象になるのだと思いますが・・・・それだからこそ、この本が面白かったのかもしれませんが・・・・・

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by yksayyys | 2017-09-17 12:04 | 読書 | Comments(0)

ちょっとすねた感じでこの世を眺めてみると・・・