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アマノジャクはこう考える

カテゴリ:社会( 1783 )

神風は吹かなかった

 モンゴル襲来(元寇)の時に「神風は吹かなかった」今日の朝日新聞の朝刊の記事にそう書かれてありました。ずいぶん前からそういう話は出ていましたね。特に文永の役は暴風ゆえの退却ではないというのが定説となり授業でもそう解説してきました。が、数年前に服部英雄さんの「蒙古襲来」が出版されてからより実証的に説明がされるようになったようです。面白いと思ったのは、鎌倉武士は自らの勲功を誇り、寺社は自らの祈祷による暴風雨を強調したという下り。それが、幕末から開国にかけての時期と、先の大戦の時期の2回、神道イデオロギーが吹き荒れる中でこの「暴風雨撃退説」がはびこったようです。なるほどわかりやすい理屈であります。私たち社会科教師はきちんと修正して教える必要があるようです。まだまだ、こういう事がいっぱいありそうですね。歴史研究ってやっぱり貴重ですよね。決して趣味の学問じゃないと思います。
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by yksayyys | 2017-01-08 19:43 | 社会 | Comments(0)

精神のきば

 梅棹忠夫の評伝を読んでいて興味を持った部分があった。経済学者森嶋通夫が「日本がソ連に攻め込まれたら、毅然として降伏したらいい」と雑誌か何かに発表したらしい。森嶋の文章は岩波書店のものを何冊か読んだことがあるが、経済書以外はどれもわかりやすく断定調で書いてあるので読みやすかった記憶がある。その説は当然論壇で話題になったらしい。ただ、面白いのはその説を、評伝の主役梅棹をはじめ司馬遼太郎、リアリストとして有名な永井陽太郎まで「90%賛成」と述べたということである。共通するのは戦中世代。学徒兵世代ということである。「多くの犠牲者が出るくらいだったら降伏した方が・・・」のセリフは「多くの犠牲者」を目撃した者には何より説得力があったのではないだろうか。森嶋と司馬、梅棹には思想・信条の共通性があるようには思えない。あるのは「共通体験」である。
 翻って、今「攻められたら降伏」という説を発表したらその学者はものすごいバッシングを受けるのではなかろうか。応援する方も勇気がいるものと思われる。しかし、今「降伏するより戦え」という者たちに戦争体験はほとんどないであろう。西鄕隆盛は鳥羽伏見の戦いで援軍の要請に対し「全滅したら(援軍を)送る」と言ったという。この言葉を「玉砕」と結びつけ美化して語る者もいる。そこに「全滅」させられる者への共感はないであろう。梅棹はそういう状況を「精神のきば」と表現していた。今、世界は「精神のきば」が跋扈しているのではないか。

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by yksayyys | 2017-01-07 14:37 | 社会 | Comments(0)

私の好きな社会科

 唐木清志「『公民的資質』とは何かー社会科の過去・現在・未来を探るー」(東洋館出版社)のあとがきの最後はこう結ばれていた。
「自分の足を使って取材をし、教材の良さを実感して、子どもの考えを深めるために教材づくりを進めれば、子どもはきちんと教師に応えてくれるものである。こだわりを持った個性的な子どもを育てたければ、教師がまず個性的になることが必要である。借り物の授業ではなく、学校の置かれた地域と、目の前の子どもと、そして、先生方ご自身の社会科観で編まれる社会科授業を、若手に限らずすべての社会科教員は目指すべきである。」
 自分の考える社会科教師像をこれほど的確に表現した文章はないのではないかと思える。これがずいぶん昔の本ならともかく2016年11月に発行された本であることがまた嬉しい。
 私は、この社会科に関するある団体の事務局の研究部門の責任者となっているが、近いうちに辞めようと思っている。(できれば3月に)
最近までは「辞めたい」が本音であったが、「辞めるべき」という風にまで変わってきている。理由の第一は「世代交代」である。私が事務局の研究部に入ってから12年が過ぎた。これはやはり長すぎる。九州大会を事務局員として3回経験する人はそうはいないのではないかと考えている。理由の第二は「新しい風」である。これは、「若く」という意味だけではない。鹿児島県の社会科が大切にしてきたものはとても大切なものでありとてもユニークなものである。誇りにもしている。が、自分はその流れの「真ん中」を走ってきたように思う。これは自惚れかもしれないが、N会長やぷくぷくさん、Kさんたちとかなりの部分で共有できる考え方で研究というものを進めてきた。しかし、これも多くの人たちが集って考え直してよい時期に来ていると思う。内心、「これまでの流れを無にする研究はしないだろう」と期待してもいるが、これは去る人間の言うことではないかも知れない。そういう事を40代を中心とする県内社会科の実践家のみなさんが集団討議する中で考えていくべきではないかと思うようになった。もちろん、私もそれを支えようとは思うが、支える場所はあくまで「外から」だろうと思う。
 組織の事を考えるとそれが良いと思う。私自身もその方が良い。

 私の好きな社会科を続けていくことでそのような活動に貢献できたらいいなと考えている。



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by yksayyys | 2017-01-07 10:38 | 社会 | Comments(1)

西鄕フィーバー

 いよいよ鹿児島は官民あげての「西鄕どん」フィーバーとなってきました。(フィーバーって言葉まだ通用するのかな!)M知事も大はしゃぎしてますし、昨年度は勤務地の市長・教育町通知で「西鄕ゆかりの地をさがせ」の指令も来ました。M新聞は正月以来、西鄕ゆかりの小学校校歌を連載しています。私も以前、皇国史観の校歌を探したことがあり、娘の小学校には「即刻変えろ」と要求して断られたことがあります。が、西鄕は微妙に許されるんでしょうね。以前、テレビで会津武士礼賛の会津の小学校、吉田松陰礼賛の萩の小学校の校歌が紹介されていましたが、結構あちこちにこういうものがあるのかもしれません。戦後に「どうするか」と話題になったはずですが、「いや、残そう」という結論になったのでしょうね。日本国憲法に代表される戦後の価値観は、私たちが思っている以上に脆弱な基盤の上にあるのかもしれません。
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by yksayyys | 2017-01-07 09:17 | 社会 | Comments(0)

サウジアラビアという国

 NHKのBSドキュメンタリーでサウジアラビア特集をやっていましたので軽い気持ちで観てみました。が、途中から目が離せなくなってしまいました。私のこれまでのサウジアラビア観は、「欧米寄りの世俗的イスラム国家」というものでした。しかし、それが100%間違いであることがこの番組でわかりました。サウジアラビアはIS同様の人権無視のイスラム強権政治の国でした。密告がはびこり、秘密警察が幅を利かす。それでいて910兆円にも上る石油利権を王族を中心とする富裕層が独占する。「どうしようもない国だなあ」と思いました。そして、腹がたつのはそれにすり寄る日本を含めた西側諸国の姿勢でした。特にイギリスは旧宗主国という立場を巧妙に利用し、人権侵害には目をつぶり石油利権の獲得と武器の売り込みのためにサウジの支配者層に取り入っていました。しかも、ほとんど観光客を受け入れないという秘密主義の国でもありました。イランよりイラクよりもよっぽど悪質ではないかとも思えました。ただ、救いはこの番組がイギリスのジャーナリストたちによって制作されているということでした。私たちは中東、西アジアの国々の実態をほとんど知らないのではないか。そう思えました。怖いな!と思いました。
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by yksayyys | 2017-01-02 20:07 | 社会 | Comments(0)

水俣病に対する国の姿勢

 今朝の朝日新聞朝刊の一面は驚くべき内容であった。水俣病問題の際に当時の環境庁は患者の補償について相談する加害企業チッソに「ザルに水を注ぐがごとし」と反対し、様々な裏工作を指示した事が当時のチッソ副社長のメモから明らかになった。患者認定基準の厳格化との連続など国・行政の「無責任」ぶりがいっそう明らかになったと言える。当時の担当者も大筋認めており、事実のさらなる追求・解明が望まれる。
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by yksayyys | 2016-12-31 08:44 | 社会 | Comments(0)

九民研

 昨日、今日と九民研集会に参加してきました。講演は名古屋大学教授で全国学力テストを拒否したことで有名な犬山市の元教育委員の中嶋哲彦さんでした。県教研でもいちど講演された事があったので「また同じ話だったら嫌だな」と思っていましたが、今回はかなり具体的な話で面白かったです。「学力とは」という話を体験的に話していました。
 午後からは分科会でした。思った以上に参加者が多く、しかもレポートが8本も出て世話人としては「うれしい悲鳴」となりました。あと、同じ会場に社会科系が二つ入れ込まれたのがやはりよくありませんでした。小学校社会科のSさんの声が大きいこと大きいこと。あと、例年ながら長老Kさんの話が長いこと長いこと。正直言って「進行の妨げ」となりました。
 レポートは良かったですよ。T中さんの「黒船の授業」鹿児島のSさんの「震災・原発、夫婦別姓の授業」宮崎のFさんの「強制連行裁判」鹿児島のKさんの「大学における平和教育」、それぞれが中身の濃いもので討議も盛り上がりました。
 夜は夜で楽しい懇親会でした。が、飲み過ぎて今日は二日酔いでした。おかげで朝5時からのレポート作成は「苦行」に近いものでした。
 今日の分科会はぷくぷくさんの「判決書を使った慰安婦の授業」次に私の「廃仏毀釈の授業」最後は鹿児島のKさんの「近代民衆史研究会のとりくみ」と続きました。途中には、前日話題になったことに関連して実行委員長のOさんが「政治教育」に関するレポートも急遽出してくれました。レポートが多かったので進行に苦労しましたが、終わってホッとしました。
 午後の特別報告はS館のM尾さんでした。いつもながら興味深い話でした。「あー」とうなずく聴衆の反応が面白かったです。

 とにかく終わりました!

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by yksayyys | 2016-12-27 16:04 | 社会 | Comments(3)

Japanese Onlyその後

 今日の朝刊で最も印象に残った記事が浦和レッズの「Japanese Only」事件を扱ったものでした。当時の私は「あ、心ないサポーターの横断幕か!」くらいにしか思っていませんでしたが、いろいろな事実があった事がわかりました。李忠成選手の両親は、スタジアムに応援に来てたのにサポーターの差別的言動から次第にスタジアムから足が遠のいていったという。また、横断幕事件以後実家には警察が張り付くようにもなったという。「被害者はさらなる被害を受け続ける」ことになったようである。李選手は、レッズとの契約更改の時その事件のことが頭をよぎったそうである。当然のことでしょう。そうでない場所ならそういうことはなかったかもしれない。少なくとも浦和ではそういうことがあり、決して数人の悪意というものでもなかったからである。しかし、李選手は来季もレッズに所属することを決めたという。
 あれから2年後。状況は改善されたのか。スタジアムやサッカー界は変わったかもしれないが、社会全体はどうであろうか。「隠れトランプ」の如き存在は日本にもたくさんいるし、ネット上では相変わらずの「ヘイト」ぶりだし、近所の書店でも本らしい本はほとんどないのに「嫌韓」本はあふれている。
 李選手は「自分から相手を好きにならないとサポーターも好きになってくれない」と言っていた。が、本来は李選手が努力する問題ではない。その社会、集団の持つ人権感覚の問題である。

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by yksayyys | 2016-12-24 08:02 | 社会 | Comments(0)

 今週、中社研関連の2つの案件が片づきました。ひとつはウィンターセミナーの講師です。鹿児島大学で法教育・主権者教育の研究をされているW准教授と、以前K島での実践で絶賛されたI中のS先生が講座を引き受けてくださいました。S先生曰く「先生の頼みは断れません」とのこと。ありがたいことです。そして、今日来年度の九州大会の研究発表を昨年度県大会で「中世の武家社会と地域」の授業で高い評価を受けたN中のK先生が快く引き受けてくれました。これもありがたいことです。
 こういう役職をしていて一番しんどいのが「誰かに何かを頼む」ことです。引き受けると大変な苦労があることがわかっていながらお願いするのはなかなかつらいことです。しかし、「ぜひこの人をみんなに紹介したい」という思いもあります。それゆえ、引き受けていただくと何とも言えない喜びがあります。今回お引き受けいただいた方々の発表、研究内容には何も心配することはありません。安心して任せられる方々です。あとは、来年度の県大会授業者と再来年度の九州大会の授業者です。どうかうまくいきますように・・・
(ウィンターセミナーの案内はhttp://kensyaken46.hatenablog.com/にて)

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by yksayyys | 2016-12-23 19:00 | 社会 | Comments(0)

冠嶽神社から

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 先日、お隣のI市の冠嶽神社までフィールドワークに行ってきました。修験道や徐福伝説にまつわる興味深い地です。周辺を観光地にしようとずいぶん整備され、紅葉とあいまってとても美しい光景が広がっていました。が、やはりここにも廃仏毀釈の跡がありました。「坊主墓」と呼ばれる場所には歴代の僧の墓が集められていましたが、案内版を読むと廃仏毀釈の時にばらばらにされた墓をこうやってようやく集めたのだそうです。鹿児島がどこに行ってもこういう光景に出会います。今、私の最大の興味・関心のひとつとなっています。
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by yksayyys | 2016-12-21 21:41 | 社会 | Comments(0)